今年に入ってから著名人の薬物関連のニュースが後を絶たない。
先日、覚せい剤使用で逮捕されたASKA氏が不起訴処分となり釈放された。
東京地検はその理由としてASKA氏から提出された液体がASKA氏の尿であるとの立証ができないからと説明した。
覚せい剤使用は被害者のいない犯罪といわれる類型であり目撃者もいないのが通常である。そのため覚せい剤使用事件において尿の鑑定結果は最も有力な証拠として位置づけられる。
このような尿の鑑定結果がその役割を十分に発揮することができるよう、警察においては入念な配慮がなされている。
採尿の際は警察官がすぐそばで立ち会い、採尿用の紙コップも提出者に洗わせて付着物がないことを確認させ、
提出者自ら尿を容器に移させ、容器に自分の名前を書かせる。
このように採尿過程で異物が混入したり他の尿と入れ替わったりする可能性がないように慎重に行われ、
かつその過程をすべて写真撮影して証拠化される。
刑事裁判において被告人は無罪と推定される。
検察において被告人の弁解を積極的に排斥、すなわち陽性反応の出た液体が捜査対象者の尿であると立証できなければ、有罪判決を得ることはできない。
優れた楽曲を作り、多くのファンを持つASKA氏の再起を願う人は多いだろう。