Q: 18歳の専門学校生甲が原付自転車を運転中に横断歩道を歩いて渡っている私を跳
ねて負傷させました。
甲は自賠責保険しか加入していませんでした。私の損害は自賠責保険を超えるもの
ですが,甲はお金が無いから払えないと言います。
甲の親の丙に請求したのですが,丙は原付は甲がアルバイトをして貯めた金で友人
から買ったものあるし,ガソリン代も甲が自分で払い,原付は通学などに使っているの
で,親の丙の責任は無いと言われました。
このままでは,被害者である私の泣き寝入りになります。父親丙の責任は問えないの
でしょうか。
A:一般的に責任能力があると認められるのは中学生以上のものと考えられています。
本件の場合,原付を運転していた甲は18歳である責任能力があると認められます。
そして,民法709条の不法行為責任と自賠法3条の運行供用者責任が認められ被
害者に対し賠償責任があります。
問題は加害者甲に財産がなく被害者に賠償できないことにあります。
加害者甲の父親の丙の責任を問うためには,丙が運行供用者に該当するかどうかで
す。
甲の原付を丙が買って与えた,ガソリン代も丙が支払っている,丙も甲の原付を使っ
ている等のことがあれば丙は運協供用者となり被害者に賠償する責任が発生します。
丙の話している通りかどうか,被害者側で原付の購入経緯,自賠責保険の契約者,原
付の名義,ガソリン代の支払い状態,原付の管理状態。原付の使用実態等を調査する必
要があると判断します。
調査結果に基づいて丙に運行供用者責任が発生するかを検討することになります。