大学受験対策本には,いわゆる「赤本」「青本」「緑本」というのがありますが,弁護士の世界にも似たようなものがあります。どれも,交通事故事件に取り組むにあたっては欠かせない三種の神器です。
まず,赤い本。日弁連交通事故相談センター東京支部から発行している,交通事故の損害賠償額算定基準の本です。毎年改訂され,別冊で東京地裁交通部の裁判官講演録もついてきます。
次に,青い本。こちらも交通事故の損害賠償額算定基準の本なのですが,日弁連交通事故相談センター本部が発行しています。2年に1回改訂されます。
最後に緑の本。これは典型的な事故類型での双方の過失割合をまとめたものであり,東京地裁交通部の裁判官によって書かれています。「別冊判タ」などと呼ばれています。
私たちを含め交通事故事件に取り組む弁護士は,依頼者の方々の権利や利益を守るべく,これら三種の神器を駆使しているわけです。