被害者Bは第1回目の平成28年12月28日の事故で受傷し頸椎捻挫による頚部痛の治療のため通院中, 平成29年4月23日に第二回目の事故に遭い,前回事故と同部位である頸椎捻挫を受傷し頚部痛の治療を続けたが頚部痛が改善せず。 平成29年9月31日に症状固定とした。 後遺障害診断書では,頸椎捻挫による症状として,頸部の疼痛が残った。 後遺障害の頸椎捻挫による頸部の疼痛は,第1回目の平成28年12月28日の事故と 第2回目の平成29年4月23日の事故により発生したものであることから,異時共同不法行為が成立する。 第1回目の事故発生から平成29年9月31日に症状固定となるまで治療期間が9カ月と長期の治療が必要であったこと, 頸椎捻挫による頚部痛は初診時から症状固定日まで一貫して訴えていること,頸椎にレントゲンで頸椎の変性変化が認められること等から, 後遺障害等級14級9号認定が妥当と判断する。 よって,第1回目の平成28年12月28日の事故の自賠責保険の●●損保株式会社と 第2回目の平成29年4月23日の事故の自賠責保険の✕✕損保株式会社の両社に被害者請求するものである。
1.第1回目の平成28年12月28日の事故について
(1)被害者の受傷状況
被害者は原付を運転し,交差点で青信号に従い直進中,左方道路から赤信号無視 の車と激突したものであり,全身を強打し頭部を打撲したため一時的に意識消失し た状態となったことから,被害者が頚部に受けた外力は大きい外力であったと判断 出来る。
(2)主たる傷病名は頸椎捻挫・腰椎捻挫で,頚部痛と腰痛は初診から第2回目の事故 で中止とするまで一貫して訴えている。
2.第2回目の平成29年4月23日の事故について
(1)主たる傷病名は頸椎捻挫・右手関節捻挫で,頚部痛は症状固定日まで一貫して訴 えている。 (2)被害者は第1回目事故(平成28年12月28日)で頸椎捻挫を受傷し頚部痛の 治療を受けていたところに,2回目事故(平成29年4月23日)のため頚部を加 重して損傷しことにより,頚部痛も増悪すると共に頚部痛が難治性となったもので ある。 よって,平成24年9月31日の症状固定日の後遺障害の症状も頚部の疼痛と 頚部痛が強い症状となっている。
3.頸椎の変性変化が認められること
頸椎レントゲンにて,頸椎の湾曲が消失し直線化していることは,本件事故に因り 発生した変化であり頚部痛に発生の原因と判断出来る。 既存のC5/6,C6/7の椎間腔の狭小化とC5,6,7の骨棘形成があるとこ ろに本件事故による衝撃が引き金となり椎間腔の狭小化と骨棘形成が相互に影響し合 って頚部痛を発生している原因と判断出来る。
4.頚部痛の訴えの一貫性があることについて
第1回目の事故発生から,第2回目の事故を経過して平成29年9月31日に症 状固定となるまで長期間治療しているが,頸椎捻挫による頚部痛は初診時から症状固 定日まで一貫して訴えている症状である。
5.約9カ月に亘る長期の治療を要したこと 第1回目の事故発生から平成29年9月31日に症状固定となるまで治療期間が 9カ月と長期の治療が必要であった。
以上の事実から,後遺障害等級は14級9号が妥当と判断する。また,異時共同不 法行為から,両社の自賠責から後遺障害保険金が支払われることになる。
尚,甲病院,乙整形外科,丙病院の画像は●●損保株式会社に提出している。 以上