2020.1.27 未分類
人身傷害保険の「重大な過失」は保険金を支払わないについて
Q: 私は交差点で赤信号を見落として交差点に進入したため,青信号で侵入していた大型トラックに衝突し負傷しました。 私の信号無視による事故で,「重大な過失」に該当するのでしょうか。 人身傷害の約款では「重大な過失」は保険金を支払わないとなっているので心配です。
A: 人身傷害保険の「重大な過失」は,故意に近い重大な過失と判断されます。言い換えれば,「わずかの注意さえ払えば,たやすく違法な結果を予見することが出来るのに,漫然とこれを見過ごしたような状態に相当する場合」と判断されます。
具体的事例
① スポーツカーを改造して,エアバックを除けて高速道路を制限速度を120キロ以上を超えて220キロで走行中緩いカーブにてハンドル操作を誤りガードレールに衝突し重傷を負った事故。
- 安全装置のエアバックを除けて改造していた。その上で高速道路を走行し,制限速度を倍以上超えて走行していたことは,違法行為を重ねて行っており,事故発生の可能性が非常に大きく,また,事故となれば負傷することが明らかであると予見されることから,故意に近い重大な過失と判断されます。
② 電車の踏切で警報機が鳴り,遮断機が下りようとしているのに,車がそれを無視して踏切に進入し電車と衝突した場合。
- この事故なども故意に近い重大な過失と判断されます。
今回ご質問の赤信号を見落として交差点に進入する事故は,しばしば見受けられますし,上記2例のような故意に近い事故とは判断されませんので,人身傷害保険は有責となると判断されます。
以上