突然ですが、クイズです。
私たち法律家の業界では「訴訟とは、○○を○○する作業である。」とよく言われるのですが、○○の中に入る言葉を考えてみてください。
お分かりになりましたでしょうか。
「相手をこらしめる作業」でもなければ「真実を明らかにする作業」でもありません。
答えは「裁判官を説得する作業」です。
訴訟では、双方の当事者が言い分を主張し、それを裏付ける証拠を提出します。
そしてそれをもとに、第三者たる裁判官が「いずれの言い分がどの程度認定できるのか」という観点から、和解の方向性を示したり判決を言い渡したりします。
決して裁判官はすべての真実がわかる神様ではありません。
ですから、有利な和解や判決を得るためには、証拠を示して主張を展開し裁判官を説得しなければならず、それこそがまさに訴訟手続の本質なのです。
私たちが相談者の皆様に証拠をできるだけご持参いただきたいとお願いするのも、どの程度こちらの言い分を裁判官に納得してもらえるかを見極める必要があるためなのです。
ご相談にあたってはこれらのことをご理解いただき、証拠となりうるものをできる限りご持参いただければ幸いです。